
ライフステージの各段階で自分に合った生活設計を立て、自助努力を行うことがこれからの21世紀に向けて大変重要となっていきます。
それには、父母当人の人生設計と障害をもつ子ども以外の兄弟姉妹の生活設計を総合的に考え、子どもや家族のための生活設計を日頃から真剣に考えておくことが必要であり、障害をもつ子どもにも安定した生活設計と人生計画を立てていってあげることが求められてきています。
人は誰もが大なり小なり将来に対する不安を抱えて生きています。
少しでもその不安を解消していくために今やらなくてはならないことは、まず自分たちの将来を見通すことと、それに対する準備することに他なりません。
それが「生活設計」なのです。
ことに経済的な部分に関しては、この計画的な準備によってかなりの不安を解消することが可能となります。
ここでいう「生活設計」の最終的な目的は、あくまでもその計画(=目標)を実現するための手段を検討し、それを実行していくことにあるのだということをまず頭に入れておいてください。
日本という貨幣経済の国で暮らしている限り、お金と無縁の人生はありません。結婚、出産、育児、教育、住宅取得、老後など、人生の節目にはいずれもそれなりの資金が必要になります。
私たちの日常の経済活動は、基本的にはこうした資金を準備するために(日々の生活はもちろんですが…)行われているのであり、これをいかに計画的に、効率的にできるががその手段のポイントとなるわけです。
「生活設計」というのは、家族の将来というテーマについて、将来の計画に基づく収支を予測して、お金がうまく回っていくかどうかを見てみましょうということです。うまく回らないのであれば、何が問題で、どうすればよいのかを探るわけです。
肢体不自由老の生活設計を立てるには、将来の生活の安定を図ることを第一目的とした手順として、下記のように大きく5つのステップに分けることができます。
?子ども(障害児・者)の生活設計を立てる
?過不足の見積り
?不足額の手当の方法を考える
?家族全体の生活設計を立てる
?子どもの財産、親からの移転する財産の運用
このように、経済的にも心理的にも将来に対する不安を軽減し、ゆとりを持って安心した生活を送れるために、各々の目標に合わせた「総合的な生活設計」を立てていくにはどのように取り組んでいくべきか、また、どのような制度があるのか、それらを活用していくためにはどうすればよいのか、具体的にみていくことにしましょう。
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